The Songbards
The Beatles、Oasisといったブリティッシュ・ロックの影響を色濃く受けながらも、現代的に仕上げられたミックス。数十年に渡って多くのバンドを生み出してきた‟ロックンロール“の本質を強く宿らせながらも、革新的な響きを鳴らす彼らは、2019年11月にメジャー1stアルバム「CHOOSE LIFE」のリリースとともに、メジャーデビューを果たした。小気味いいビートに激しく煌めくギターが絡むアンサンブル。そして、上野皓平の澄んだ歌声とバンドのコーラスワークが光るそのバンドサウンドの原点、そして奇しくもメジャーデビュー後、間もなく訪れてしまったコロナ禍以降、どう変革していっているのか――? 現在、東京で活動する彼らにとっての起源となる場所でその思いを聞き、彼らの核となる音楽の響きをライブで味わいたい。
Profile
2017年3月に兵庫県神戸市で結成された4人組ロックバンド。UKロックに影響を受けたツインギター&ヴォーカルと、息の合ったコーラスワークが特徴。
メンバー(L→R):柴田淳史(Ba.Cho.)上野皓平(Vo.Gt.)岩田栄秀(Dr.Cho)松原有志(Gt.Vo.)
ライブアーカイブ放送:※公開は終了しました。
プレゼント
伝統と革新をはらむロック・バンドThe Songbards――そのメロディを開放する「公園」への思いを聞く
Interview:田中 貴(サニーデイ・サービス) Text:油納将志 Photo:古溪一道
アーティストの原点とも言える場所に赴き、その当時の思いを聞く――。本稿では、5月11日の「BACK TO STAGE ONLINE LIVE」に出演のThe Songbards 上野皓平(Vo,Gt.)、松原有志(Gt.Vo.)にインタビュー。2019年にメジャー・デビューした彼らの思い出の地である代々木公園で、音楽に対する向き合い方やライヴに対する思いを、サニーデイ・サービス 田中 貴が聞いた。
バンドメンバーと共に、東京で心を開放できた特別な公園
田中「対バンの楽屋とかならよくありますが、こうしたあらたまった場所で、初対面で話をするというのはなかなかない機会なので緊張もしますし、楽しみでもあるんですが、ふたまわりくらい年齢が違うんですよね。でも、The Songbardsの音はぼくらが好きで聴いていたギター・ロックの要素がある。そんな共感が持てるふたりが思い出の場所として選んでくれたのが代々木公園ですね」
写真左から、The Songbards 松原有志(Gt.Vo.)、上野皓平(Vo.Gt.)、サニーデイ・サービス 田中 貴
上野「ぼくらは地元が神戸で、3年前にメンバー全員で上京しました。東京の友人もそんなに多くなくて、メンバーだけで食事に行ったりもしなかったので、わりと孤独な時期があったんです。そんな時にたまたまメンバーや友人たちと代々木公園に遊びに行って、すごくリフレッシュしたというか、前を向いて進んで行こうという気になったので今回選ばせてもらいました」
田中「日本全国どこにでも公園はあるけれど、代々木公園って原宿や渋谷に近いからか、おしゃれなイメージがありますよね。ぼくも愛媛の出身なので、憧れの場所でもあった。かっこいい人たちがフリスビーしているようなイメージで(笑)」
松原「上京する前は神戸で1年間、メンバー4人で一緒に住んでいたんです。神戸といっても郊外で、海があるくらいで特になにもないような場所で。神戸は背後に山、前には海という自然に恵まれた土地ではあるんですが、大きな公園というのはあまりないんですよね。ぼくも『代々木公園=おしゃれ』というイメージを持っていたんですが、公園にいた人たちが自然体でそれぞれの時間を楽しんでいるのを見て、そんなに構えなくてもいいんだと安心した思い出がありますね。東京っていいな、と思えた瞬間でもありました」
田中「特に何があるわけでもないんだけど、空が広がっていたり、鳥の鳴き声が聞こえてきたりして心が落ち着くというか、のんびりできますよね。でも、すぐそばには人でごった返す街があって、という」
心が開放されて変わる、The Songbardsのソングメイキング
松原「上京してからバンドでイギリスに行く機会があって、いくつか公園を訪れると、どこも代々木公園くらいの広さだったんですよね。地元の人や旅行者が思い思いに過ごしている光景がすごく印象的で、公園ってこういうふうに楽しむんだって新鮮な思いを抱いたんです。公園での過ごし方がわかったような気がして、帰国後は『公園マスター』になりました(笑)」
田中「わかる。海外の人の公園の過ごし方って、すごくいいですよね。公園で曲をつくったり、ギターを持っていって演奏したりもするんですか?」
上野「最初に代々木公園に遊びに行ったときはギターを持っていって、コード譜見ながらカヴァーを演奏したりしてました」
田中「うわー、めっちゃさわやか過ぎるじゃないですか(笑)。やりたくなる気持ちもわかる」
上野「ちょっと照れますけどね(笑)。神戸にいた頃も海に行って練習したりとか、散歩しながら曲のインスピレーションを得たりしていたんですが、東京に来てからはそれが代々木公園だったり、ほかの公園になったという感じでしょうか」
田中「家やスタジオで曲を作ろうか、というより、開放感ある場所の方が気持ち良く作れるし、できてくる曲も変わってきますよね」
上野「それは実感しました。その頃はまだたくさん曲があるわけではなく、どういうやり方で曲を作っていったらいいか模索していた時期だったんです。家の中で缶詰になって書いた曲と、公園など開かれた場所で作った曲はタッチが違うなということに気付かされたりもしました」
田中「外で音楽を聴きながら歩いている時にアイデアが思い浮かんだりしませんか?」
松原「ありますね。歌詞を書いた場所はバラバラなんですけど、ぼくが外で書く場合は行き詰まっている時のことが多くて。最初は家で書いていてどうしても次が浮かばないというときに、自分で作ったオケだけを聴きながら散歩に出かけて、ふとした瞬間に歌詞が降りてくるということはたまにあります」
上野「外に出て音楽を聴きながら散歩するときって、もちろんその時間を楽しむというのもあるんですが、漠然としたアイデアが思い浮かぶことも期待しているところもあるんです。これまでの経験的にもそういうことがありました。アイデアが浮かばなくても、浮かぶような状況にしてくれるというか。今までは外で曲を聴くのにワイヤレスイヤホンをあまり使ったことがなかったんですが、今回使わせてもらった『NT01A』は、軽いしデザインも特別感があって街なかでラフに使っていきたいと感じました。コードの煩わしさもないので音楽に没入できて、ふっと浮かんだアイデアが消えないような気がします」
松原「ぼくが使わせてもらった『N10 Plus』はノイズキャンセリング機能も搭載されていて、街なかを歩いていても思い浮かんだアイデアが何かしらの音で邪魔されて消されてしまうということが減りそうで、いいなと」
田中「笑っちゃうくらい便利ですよね。サブスクリプション・サービスもあるから、外で音楽を聴く機会が増えていますし」
松原「バンドマンって荷物が多いからイヤホンをしていると必ず絡まったり、引っかかったりするんですよね。そういう煩わしさから解放されるのは見た瞬間にわかるというか。今は外に出る際はマスクをしないといけないので、マスクの紐とコードがあるとすごくうっとうしい。ワイヤレスイヤホンの利点を実感させられました。なくしたり、どこかに置いてきてしまう心配はありますが(笑)」
コロナ禍で進化し続けていくライヴと、その懸ける想い
田中「ところで、The Songbardsは2019年11月にメジャー・デビューを果たしていますが、そのデビュー後すぐにコロナ禍に入ってしまったということですね」
上野「そうなんです。そのリリースに合わせて対バン・ツアーとワンマン・ツアーを予定していたんですが、対バン・ツアーを終わったところでライヴができなくなってしまって。昨年夏に緊急事態宣言が解除になった際に関西の方でいくつかライヴをやらせてもらってからは、状況に応じて活動しています」
田中「コロナの前まではぼくらはライヴをすることは日常だったわけじゃないですか。それが思いもよらずできなくなってしまった。そのことについてはどう考えましたか?」
上野「最初はそのもどかしさをどこにぶつけたらいいのか悩みました。気持ちを切り替えていくしかないということに行き着いて、ほかにできることを探していったんです。ほかのアーティストのライヴ映像を見て参考にしたり、曲作りに励んだり。あとはSNSを通してライヴ映像の発信をしたりとか、バンドの活動を止めることなく、少しでも前を向いて進んでいけるようにはしていました」
田中「顔を突き合わせなくてもデータのやりとりで曲を作れる便利な世の中になりましたが、やっぱりメンバーと一緒にスタジオに入って、でかい音を鳴らしてから見えてくるものがある。どっちがいいというわけじゃないけれど、早くどちらもできる状況になってほしい。今回の配信ライヴもお客さんの姿は見えないけれど、カメラの向こう側で観てくれているというだけでもうれしくなってきますよね」
上野「自分たちで配信ライヴを始めた頃はいつもいてくれたお客さんがいない状況にちょっと戸惑ってしまいましたが、回数を重ねていくことで伝わっている人には伝わっていると気付いて。それからは今やれることをやろうという気持ちで演奏しています。今回も配信ライヴで得てきたことを出し切りながら、早く生でライヴを観たいと思ってくれているお客さんが次に会う機会を楽しみにしてくれるような演奏をしたいですね」
松原「配信ライヴは、例えば対バンライヴで、前のバンドが残していった余韻や熱気みたいなものがなかったりする。ですので、配信ライヴはある種、自分たちが持っている力を試されている機会でもあると考えています。技術的にもある程度のクオリティがないとすぐに画面から離れていってしまいますので。背伸びしたりごまかすんじゃなくて、今の4人が持てる力をフルに出し切って挑みたいと思います。ぜひ楽しみにしていてください」
代々木公園近くのカフェに場所を移して行われたインタビューでは、制限下に置かれた状況で手探りするように前へと進もうとする彼らの姿が浮き彫りになった。その音楽への飽くなき熱情から、今後も目が離せない。
■The Songbards思い出の場所
代々木公園
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町2-1
■New Release
The Songbards
三部作 第二章
4th Mini Album『AUGURIES』
●完全限定生産盤【CD+DVD】 [VIZL-1897 / \2,530]
●通常盤【CD】 [VICL-65502 / \1,650]
Getting Better Records
■試聴製品
NUARL N10 Plus
NUARLならではの高音質と、高性能なアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したハイエンドモデル。左右独立通信、低遅延のゲーミングモード、電波状況が悪くても安定した通信を可能にするaptX Adaptive対応、Google Fast Pairによる簡単ペアリングなど多彩な機能性を誇る。
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NUARL NT01A
連続10時間再生のロングバッテリーやIPX4相当のロングバッテリーなど高い機能性と、良質なサウンドの両立を実現した新時代の完全ワイヤレスイヤホン。光の当たり方によって青みが感じられるディープネイビーと、スタイリッシュなブラックゴールドのリッチなカラーリングも特徴だ。
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