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柴田聡子

オリジナリティ溢れる音と歌詞で、いま多くの音楽ファンから注目を集めているシンガーソングライター・柴田聡子の一目、一言ではとらえきれない魅力の源はなんなのか? ポップネスのこもる楽曲の中に、どこか寂しさや悲しげ、怒りだったりといった感情が掻き立てられる、不思議な多面性を持った音の秘密をたどっていこう。


Profile

1986年札幌市生まれ。シンガー・ソングライター。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。最新作『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。2016年に上梓した初の詩集『さばーく』でエルスール財団新人賞現代詩部門受賞。文芸誌への寄稿や連載も多く、歌詞にとどまらない独特な言葉の力が注目を集めている。詞曲の提供はもちろん、映画『ほったまるびより』、ドラマ『許さないという暴力について考えろ』への出演や、2020年7月にリリースした4曲入りEP『スロー · イン』収録曲「どうして」のミュージックビデオの撮影 · 編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。2021年6月16日、『がんばれ!メロディー』アナログ盤を発売した。
https://shibatasatoko.com

柴田聡子

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柴田聡子が「ライヴの歓び」に触れたシャンソン・バーで聞く、かつて触れた横浜と音楽について

Interview:田中 貴(サニーデイ・サービス) Text:油納将志 Photo:古溪一道

ほかにはない独特のメロディと歌詞で作品を重ねるたびに存在感が増しているシンガー・ソングライター、柴田聡子。彼女が原点として立ち返る場所として選んだのは、かつて働いていたシャンソン・バー。横浜のディープな街で音楽とお酒にひたった日々を回想しながら、音楽への思いを田中が引き出していく。

ライヴの原点は、今でも忘れられないシャンソン・バーでのある一夜

田中「思い出の場所として、横浜・日の出町にあるシャンソン・バー、Chat Noirを挙げてくれましたが、そもそも生まれは……」

柴田「札幌です。大学で東京に出てきて、卒業してからは高知県の西土佐にある、四万十川のほとりのデザイン事務所で働いていました。そこで友達が働いていたんですが、その頃就職が決まっていなかったので、映像部門に欠員が出たからどう? と誘われて、『行きま~す』という二つ返事で高知に行っちゃったんです。でも、実は半年しか働かなくて。骨を埋めるくらいの気持ちだったんですけど、そのタイミングで1枚目のアルバム『しばたさとこ島』をリリースして、ライヴをしたくなったんですよね。でも、高速道路も通っていなくて、高知市内まで2、3時間かかったりするので、これはちょっと無理かもということで『辞めます!』となって」

田中「そこで横浜に戻ったということですが、どうしてまた横浜に?」

柴田「高知に行く前に住んでいたんですが、そのときがめちゃくちゃ楽しかったんです。よく飲み歩いたりもして。『喫茶みなと』という都橋商店街にある映画監督の方がやられているバーがあるんですけど、たまに行って監督とお話をしたり」

田中「このあたりは飲むにはいいお店が多そうですもんね。このシャノアールも」

柴田「そうなんです。戻ってきて、バイトを探していたときにこちらの店長がうちで働けますよって、こんなわけのわからない感じの私をわけのわからないまま雇ってもらって」

田中「働くまではお客さんとして来ていた?」

柴田「いえ、来たこともなくて。黄金町の高架下にあって、今は移転してしまったイベントスペースの方に紹介してもらったんです」

田中「ここでステージに立つこともあったんですか?」

柴田「はい、何回かやらせてもらいました。ライヴではなく働いていたときにすごく心に残っているのが、お客さんがたまに来てくれていたご夫婦一組だけという時があって、歌を歌っているんですとお話したら、ぜひ1曲歌ってくださいと言われまして。ユーミンの曲をおふたりの前で歌ったら、すごく真剣に聴いて下さって、終わったらチップをいただいたんです。がんばってね、と励ましてもくれて。そんな経験をしたこともなかったですし、今も忘れられない思い出になっています」

田中「柴田さんの音楽って、色々な曲調があって似ているような曲がない。さらにどの音楽に影響を受けているのかも見えづらいというか、何も影響を受けていないというか」

柴田「ありがとうございます。バリエーション恐怖症というか、曲が似てくるのが怖くて怖くて」

田中「くるりの岸田(繁)くんをはじめ、色々な人たちが参加しているのもあるけど、よくこんなに曲と歌詞、曲調、リズムのバリエーションがあるんだと思いますよ」

柴田「そう言ってもらえてうれしいです。超雑食リスナーで、このジャンルが好きとかそこまでないんですよね」

田中「曲を書き始めたのは大学生の頃?」

柴田「そうですね」

田中「その頃の曲はさすがにもう歌っていない?」

柴田「いえ、今も歌っています。最初は友だちに歌わせたくて曲を書いていたんです。もともと自分で歌おうとは思っていなくて、プロデューサー的なポジションになりたくて」

田中「どうして自分で歌おうとは思わなかったんですか?」

柴田「まったくそういう気持ちはなかったんですよね。成り行きというと言葉が悪いかもしれませんが、流れ流れて歌うようになったというか。歌がうまい、歌に自信があるとかではまったくなかったので」

田中「うちの曽我部(恵一)も全然歌う気がなかったんですよ。最初にバンドを組んだときもヴォーカルを入れるということになってましたから。曽我部が曲を書いて、誰かに歌わせようとしていた」

柴田「めちゃくちゃ意外ですね。曽我部さんほど歌える人もいないのに」

田中「しばらくそういうスタイルでやってたんですが、いやいや自分で歌いなよっていうことで歌うようになったんです。ここはステージとお客さんの距離も近いし、高さもないから歌いやすいんじゃないですか?

柴田「もともとステージから始まったタイプではなかったので、ステージとお客さん側がフラットなのには抵抗なかったんですけど、自分に当たる照明が強くて、お客さん側はほぼ真っ暗になるので見えないんですよ、お客さんが。誰もいないところで歌っているような。ある意味、すごく大きなホールでやっているような気持ちにもなるし、みなさん大丈夫ですかー?っていう感じにもなったりするんですが、緊張しいなので、それはそれで良かったです(笑)」

趣向を凝らして、素直に自分を出せる――柴田聡子が感じる配信ライヴの良さ

田中「確かにお客さんの顔が見れて、楽しんでくれている様子を見るとこっちも乗ってくるし、見えなかったら見えなかったで平常心でやれるし。どっちもライヴのいいところではありますが。今はお客さんを迎えてのライヴがなかなか難しい状況ではありますが、柴田さんは配信ライヴをよくやられていますよね」

柴田「ツアーが中止になったので、その日程に合わせて配信ライヴをやることにしたんです。13か所くらいなので、13回」

田中「しかも、自宅からで背景も変えてましたよね、やるたびに」

柴田「自宅が戦場のようでした(笑)。毎日クロマキー用の布が壁にかかっていて、寝ても覚めてもクロマキーが見えるという」

田中「どんな背景にしてたんですか?」

柴田「その土地の象徴的な風景を使っていたんですが、例えば大阪だったらくいだおれ太郎を使ったりとか。各地のオーガナイザーの方に送ってもらったりして背景にして、自宅からたったひとりで配信してました」

田中「ツアーだったらある程度選曲を決めて、ほぼ同じセットリストになりますが、配信ライヴだと毎回観る人もいるから選曲に気を使ったんじゃないですか?」

柴田「そうなんですよ! 3daysとかあって、もう大変でした。大昔の曲もサルベージして、なんとか違うものに見えるようにしたんです」

田中「本人は本当に大変ですけど、ファンにとってはうれしいですよね。普段だったら演らない、聴けない曲でしょうから。配信ライヴ自体はどうでしたか?」

柴田「案外向いているなと思いました。目の前にお客さんがいると緊張しちゃうので、うまく自分を出せなかったりすることがあるんですが、配信だとやたら弁が立ったりして、コメントを見ながらコミュニケーションもできて、リアルなライヴよりいいじゃないかなと思ったり(笑)。でも、配信を切った瞬間、ものすごくさびしくなるんですよ!」

田中「家でひとりだとね(笑)。テンション上がったまま、急に素には戻れない」

柴田「そうなんですよ、だからひとりで1時間くらい散歩したり(笑)」

田中「わかる。気持ちを落ち着かせるために音楽聴きながら歩いたり」

柴田「夜中に酔って帰るときも音楽聴いて踊りながら帰ってました(笑)」

「ワイヤレス」のイメージを払拭するほどの音を感じた「N6 Pro2」

田中「気持ちいいですよね。酔った気分で目の前の風景を見ながら音楽を聴いて歩くのは」

柴田「映画を見ているような瞬間もありますよね」

田中「あと、意外ととんでもない距離歩ける」

柴田「むしろ歩いたり。音楽と一緒だと1時間、2時間は歩けますね。でも、さみしい歌が多かったかな。フランスのシンガー・ソングライター、ジョルジュ・ムスタキとかボサ・ノヴァを聴いてました」

田中「その頃はiPodとかで?」

柴田「いえ、ポータブルCDプレイヤーをポシェットとかに入れてCDで聴いていました。みんなiPodをくるくる回して聴いてましたが、私は使う気にならなくて。CDプレイヤーが壊れたら、スマホで聴くようになりました」

田中「あまり最新のテクノロジーを追いかけるタイプではない?」

柴田「どっちかというとそうかもしれません。だから今回使わせてもらったワイヤレスイヤホン『N6 Pro2』は本当に驚かされました。ワイヤレスにはどこか不安があって、仕事柄、音や電話が切れたりするのは嫌だったので敬遠していたんですが、普通にしている分にはまったくそんなことがなくて。ええっーって声が出るほどの夢の機械ですね(笑)」

田中「使ってるやつに『もっと早く教えてよ』と言いたくなりますよね」

柴田「ほんとですよ。この便利さがわかっていたら、いち早く買っていたのに」

田中「音質はどうでしたか?」

柴田「そんなに難しいことはわからないんですけど、細かなところまでしっかり聴こえますね。無理に鳴らしているなということもなくて。冷たい感じもしないし、聴いていて楽しくなる。高域は現代っぽくバシッとくるのに、低域はまろみがあって柔らかいですね。ここにこの人が演奏していて、ここにこの音があってというようなのがわかるんですけど、全体でもちゃんと奥行きを感じておもしろいというか」

田中「音の分離が良くて、位相もはっきりわかる。そして、ちゃんと音が自然になじんでいる。これから一層、音楽を聴く機会も増えそうですね」

柴田「ほんとに。電車で一駅くらいでも、さっと取り出して聴いちゃいそうです。ワイヤレスなので掃除しながらが良さそう」

田中「掃除機の騒音も気にならないしね。ワイヤレスイヤホンを買うと、家もきれいになる(笑)」

柴田「一挙両得です(笑)」

田中「さて、16日の配信ライヴですが、配信上手の柴田さんはどんなステージを見せてくれるのでしょうか」

柴田「やっぱり配信でもテレビみたいだなって毎回緊張しちゃうんですが、あまり緊張せずに画面の向こうにいるみなさんに届け! という気持ちを込めて歌いたいと思います。楽しみにしていてください!」


■柴田さんの思い出の場所

Chat Noir(https://www.chatnoir-yokohama.info/
〒231-0066 神奈川県横浜市中区日ノ出町1丁目76−1

■試聴製品

NUARL N6 Pro series 2
“NUARL DRIVER”[N6]v5Xモジュールを採用しピュアオーディオの概念をも投入した完全ワイヤレスイヤホン。左右共通の3ボタン、外音取り込み、低遅延モード、aptX Adaptive、専用アプリによる設定のカスタマイズにも対応している。

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