ホフディラン
今年25周年となるポップ・デュオ「ホフディラン」。90年代から無二のポップソングを生み出して続けてきた彼らと、盟友である田中 貴との青い時代を振り返るインタビュー、そしてオリジナルの配信ライヴに注目だ。
Profile
日本が誇る2ピースPOPグループ。1996年「スマイル」で デビュー。1998年にはFUJI ROCK FESTIVALへの参加、日本武道館でのワンマンライブを成功させる。「遠距離恋愛は続く」「欲望」「極楽はどこだ」などお馴染みの曲は多数。約3年半の活動休止後、2006年9月に活動再開。 そして25周年を迎える2021年7月3日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて記念ライブ「ホフディランですよ!スマイル スマイル またスマイル」を開催!
ライブアーカイブ放送:※公開は終了しました。
プレゼント
盟友・ホフディランと音楽に打ち込んだ、aLIVE RECORDING STUDIOでの熱くも愉しい、青春のあの頃
Interview:田中 貴(サニーデイ・サービス) Text:油納将志 Photo:古溪一道
今年、デビュー25周年を迎えたホフディラン。サニーデイ・サービスとは同期のような存在で、共に音楽の道を歩んできたホフディランのワタナベイビーと小宮山雄飛に田中 貴が原点に立ち返りながら、音楽に対する思いを語り合う。
ホフディランとサニーデイ・サービスの初々しくも熱い、レコーディングと交遊の日々
田中「今回はホフディランの小宮山雄飛くんとワタナベイビーをお迎えしました。ふたりが原点の場所として選んでくれたのが、ここaLIVE RECORDING STUDIOです」
ワタナベイビー「ホフディランが向こうのBスタジオ、サニーデイ・サービスが今日取材vしているAスタジオ、その逆もあったりして、よくセットでレコーディングしていましたよね」
田中「そうだったよね。アルバムで言うと、どの作品くらいだろう?」
ワタナベイビー「ぼくらは2枚目の『Washington,C.D.』から3枚目の『ホフディラン』の時期はずっとここだった」
田中「ぼくらは4枚目の『サニーデイ・サービス』の頃だ。ほんと、隣同士でレコーディングしてたよね」
ワタナベイビー「レコーディングしているのにわざと入ってきたりとか、そういうイタズラをやってましたね(笑)」
田中「当時時間がなかったからミュージック・ビデオの撮影もレコーディング中のスタジオでやってたんだよね。そうしたらベイビーが撮影中に入ってきたことがあったよね?」
小宮山「そうそう、大問題になったんですよね(笑)。ワタナベくんが出たがりで写っちゃったから。あの当時は違うレコード会社の作品に出演したらいけなかったから」
田中「わからないようにカメラがすぐにアングルを変えたり、あと帽子もかぶってたよね」
ワタナベイビー「変に隠したから、逆に話題になってね(笑)」
田中「むしろ目立ってね(笑)。ここに来るのは久しぶり?」
ワタナベイビー「久しぶりですね。さっき2枚目、3枚目をここで録った話をしたけど、そもそもバンドとしての初めてのレコーディングもここだったんだよね」
小宮山「まったくレコーディング経験がなかったから、本当に初めてがここだった」
ワタナベイビー「クリックという言葉を知ったのもそのときだったし、それを聴きながらレコーディングしたのも生まれて初めて」
小宮山「夏だったよね。95年かな。2日間で9曲録った」
ワタナベイビー「アマチュアバンドに、君たちここでレコーディングしてみないかね? と言ってくれる方がいて」
小宮山「ここからホフディランが始まったと言っても過言じゃない」
田中「それもあって、ここをよく使うようになったんだ」
ワタナベイビー「それもあったかもしれない……」
小宮山「いや、なかったよ(笑)」
ワタナベイビー「そうか(笑)。ここが良かったって当時のレコード会社の人に言ったか何かで、そうなったのかもね。あそこにあるエレクトリックピアノのフェンダー・ローズも使えるというのも良かったなあ」
小宮山「ぼくはまだ学生で、その『Rhodes』って綴りをローデスって言ってましたからね(笑)」
ワタナベイビー「誰も呼び名を知らなかったから、ずっとローデスで話が通じちゃってた(笑)」
田中「ここはハモンド・オルガンのB-3と、そのハモンドを鳴らすレスリースピーカーが置いてあって、しかも普通に使えるというのがいいところ」
小宮山「よくサニーデイもホフも明け方までやってたよね」
田中「ホフはオールナイトニッポンがあるからって途中で抜けたりね」
ワタナベイビー「一回抜けて、スタジオに戻ってきてもまだサニーデイがやってたり。スタジオ覗いてみたら、まだ(丸山)晴茂が来てないという(笑)。もう来ないでしょう、という雰囲気。青春でしたね」
田中「青春なんですかね、これが(笑)」
ワタナベイビー「サニーデイは青春じゃなかったかな? 酷な感じもありそうだったから…(笑)」
田中「楽しいだけじゃなかったからね、俺らの場合は。すごくダメ出しもされたし、もっとないの? もっとないの? って言われて、もうないよ、出し切ったよという状況だったから」
小宮山「サニーデイの方がシビアな空気が流れていたよね。ホフはわっしょい、わっしょいという感じでやってたけど。そんな空気でもベランダをつたって、サニーデイのスタジオに遊びに行ったりとかね」
原点からずっと続いている、真剣で愉しい音楽への思いと、3人の関係性
田中「その頃って、どんな気持ちで音楽やってた? レコーディングへの取り組み方とか」
小宮山「ひたすら楽しかったですね。ここでストリングスに入ってもらって録音したり、初めてのことばかりだったから。朝までやることが多くて、スタジオの向かい側が小学校で、ぼくらが一旦終えて帰ろうとすると登校する生徒たちがやってくるという光景が思い出に残っているなあ」
ワタナベイビー「サニーデイとどっちが遅くまでやってるかっていう勝負をしていたもんね。ブラック企業ならぬブラックバンド(笑)。そういえば、曽我部くんにホフ側のスタジオに来てもらってギター・ソロを弾いてもらったこともあったよね」
田中「実は違うんだよ、それ。『Washington,C.D.』に1曲弾いたことは確かなんだけど、俺たちはその日スタジオに入ってなかったんだよね。曽我部がホフのスタジオに出向いていって録ったんだけど、曽我部は他のアーティストにギターで参加するのが初めてのことで、不安だから付いて来てよって言われて一緒に行ったんだよね。アンプ運んで」
小宮山「『6/8』って曲』
田中「そう。あまりに緊張してたのか、弾き始めるまで2時間くらい世間話してたもんね」
小宮山「そのとき、いつから始まるんだろうって思ってた(笑)。緊張して弾き切った感じで、一回しか録ってないよね。でも、ほかの現場って勝手がわからないからね。ましてや初めてのことだから」
ワタナベイビー「でも、緊張の裏返しで炎のようなギター・プレイだったよね」
田中「その頃からもう四半世紀経ってるんだよね。お互いに活動をいちど止めてるし」
小宮山「サニーデイはずっと変わってるよね。アルバムごとに。でも、根底のところはまったく変わってない。それってすごいことですよね」
ワタナベイビー「サニーデイとは出てきたタイミングは同じで、先輩でも後輩でもなく、同期といった感じで。ホフディランの次に出演するのはサニーデイというイベントも未だにあるもんね。そこは変わってない(笑)」
小宮山「田中くんはワタナベくんのソロにも参加して、マネージャーみたいなこともやってるよね。ベーシスト兼運転手兼マネージャー(笑)」
田中「完全にツアーマネージャー、プレイングマネージャーです(笑)。スケジュールも組んで、宿の予約もしています。そのかわり、ツアーの食事は全部ラーメンだけどね」
小宮山「いや、逆にうれしいよ。田中くんがちゃんと美味しいラーメンを食べさせてくれるんだから(笑)」
ワタナベイビー「雄飛も入れるね、うちのバンドに(笑)」
田中「じゃあ、ホフのツアマネもやるということで(笑)。でも、ホフも変わりないよね」
ワタナベイビー「前進も後退もせず(笑)」
田中「印象変わらないよね。ずっと会ってるからかな」
小宮山「昔の写真がけっこうあるんだけど、それを見てたらサニーデイと一緒に写ってるのが多いしね」
田中「ベイビーも髪が長かったしね」
ワタナベイビー「澤 穂希の時代ね」
田中「その頃、澤さん出てきてないじゃん(笑)」
ワタナベイビー「そう、澤さんが追いついてきた」
小宮山「元祖・澤 穂希だからね」
田中「でもさ、雄飛くんも俺も音楽以外の仕事をするなんて、ここで録ってた頃は思いもよらなかったよね」
ワタナベイビー「カレー対ラーメン。こないだ雄飛を日テレで見て、田中くんをTBSで見たからね」
進化する音楽の聴き方と、25周年イヤーに向けた気持ち
田中「見てくれたんだ(笑)、ありがとう。ところで音楽の聴き方は変わったりしてる? サブスクとかも出てきて、リスニング環境が25年前とはガラッと変わったわけで」
小宮山「その頃はとにかく音質が良いものが最高という認識だったんだけど、ある時からそれだけじゃないということに気づいた。みんなスタジオにあるようなスピーカーで聴いているわけじゃなく、車で聴く人もいれば、イヤホンやラジカセ、お風呂で聴いている人もいる。だから、ある時期からトラックダウンのときにわざと部屋のはじっこで聴いてみたり、みんなが使っているような再生機器で聴いてみたりするようになった。単純に音質を追求するのではなくて、あらゆる聴き方があるし、それぞれに適した音があるということを理解するようになりましたね。聴き方も音楽の受け止め方もどんどん自由になっていると思う」
田中「どんどん音楽が聴きやすくなっていったよね。iPodの登場から急に。そして、iPodからスマホへ。ダウンロードからサブスクになっていった。ベイビーはまだiPodなんでしょ?」
ワタナベイビー「そう。でも、Bluetoothでカーオーディオに飛ばすことをおぼえたよ」
田中「進化したね~(笑)。今回、ワイヤレスイヤホンを使ってみてどうだった?」
小宮山「ぼくは新しいものを使うのが大好きで、古いものに固執することがない。コードがなくなったことで、本当に助かってる。インイヤーヘッドホンでもちゃんと耳に入るのが好きで、今回の使わせてもらった『N6 Pro2』はフィット感も良かった」
ワタナベイビー「ワイヤレスイヤホンって自分にとってはペアリングが難しいけど、ものを落として拾おうとしてコードが絡まって耳から抜けてしまうことが多かったから、その心配がないからワイヤレスイヤホンはいい。首も痛めないしね」
田中「ワイヤレスだと首を痛める心配もない(笑)」 小宮山「人類がワイヤレスイヤホンによって、ものを拾うときに首を痛める危険性がなくなった(笑)」
ワタナベイビー「それ大切だから(笑)。でも、さっきイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』を試聴したんですよ。昔は低音が物足りないなあと思ってたんだけど、今回ワイヤレスイヤホンで聴いたときもやっぱり低音が少ない。でも、気づいたら、あのイントロってギターだけだという」
田中・小宮山「(爆笑)」
ワタナベイビー「25小節目あたりからボウンって低音が効いてきた(笑)」
小宮山「ドン・ヘンリーのドラムからね。それまでは低音ないから」
ワタナベイビー「そこからはぶっとい音でグッときましたね。観客の声もリアルで、自分の後ろに2万5000人くらいいる雰囲気が再現されてました」
小宮山「位相がしっかりしているということだね」
田中「今年が25周年になるの? 来年?」
小宮山「今年ですね。7月3日から25周年イヤーに突入しました」
ワタナベイビー「いろいろやっていきたいですね。サニーデイとも一緒にできたら」 田中「ぜひぜひ、やりましょうよ」
小宮山「20周年のときも出てくれたしね」 ワタナベイビー「あのとき曽我部くんは血だらけで帰ってきたよね。ハッスルしすぎて」
田中「カレーラーメンも作ったよね。めちゃ売れた。今年はどんな1年になりそう?」
ワタナベイビー「盛り上げたいなという気持ちはあるけど、時節柄どこまでできるか。とりあえず2人とも健康で25周年を乗り切っていければと思います」
小宮山「ライヴやイベントはやっていくんだけど、やっぱり音源を出したいよね。ここでもまた録りたいし。今のホフディランの音楽で25周年を記録したい。がんばります」
■ホフディランの思い出の場所
aLIVE RECORDING STUDIO(https://www.edoya.tv/alive)
〒158-0081 東京都世田谷区深沢4-12-13
■試聴製品
NUARL N6 Pro series 2
“NUARL DRIVER”[N6]v5Xモジュールを採用しピュアオーディオの概念をも投入した完全ワイヤレスイヤホン。左右共通の3ボタン、外音取り込み、低遅延モード、aptX Adaptive、専用アプリによる設定のカスタマイズにも対応している。
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